乾燥対策には欠かせない、誰もが知っている美容成分セラミドですが、実際セラミドってどういったものなのかご存知でしょうか?
普段から美容についてアンテナを張っている人、お肌の乾燥が気になる人にはセラミドという成分の名前は馴染み深いのではないでしょうか。セラミド配合の化粧品なども販売されているので、身近なものでもありますね。
しかし、「セラミドって何?」という人が多いのも事実です。セラミドがどのような役割を果たしているのか、体内でセラミドを減らさないためにはどうすれば良いのか、セラミド配合化粧品の持つ効果はどんなものなのかという点について解説しますので、セラミドについて知りたい人、知っているけれど復習したいという方はチェックしてください。
セラミドとは
人間の肌がどのようになっているのか、ご存知ですか?
表皮、真皮、皮下組織、というふうに層になっており、もっとも上にある表皮には角質層と呼ばれる層があります。目には見えませんが、角質層にある細胞と細胞の間には、細胞間質という物質が存在しています。この細胞間質の主成分がセラミドです。
割合にして、40%から60%。その働きは、肌の水分と油分を保持することです。
若い間は皮膚のなかに豊富にセラミドが存在しているので、皮膚は潤っている状態にあります。しかし、年齢や環境、気候の変化といったことを原因に、セラミドの量は減ってしまいます。すると、セラミドは水分を保ち続けることができなくなってしまい、それによって乾燥肌になってしまいます。実際、乾燥肌の人はセラミド不足になっているそうです。
セラミドは保水機能だけでなく、肌を守るための力も持っています。そのため、セラミドが十分にあれば紫外線ダメージを軽減したり、病原菌などが体内に侵入することも防げるのです。健康な肌になるためには、セラミドを十分に持った潤いのあるお肌でいることが重要だと言えます。
セラミドを保持するために気を付けたいこと
セラミドの量は、20代から減少を始めます。40歳ごろにはピーク時である10代の頃と比べて50%ほど、70歳ころにはなんと30%ほども少なくなってしまいます。
しかし、日常の中でいくつか気を付けておきたいことを抑えておけば、セラミドを必要以上に減少させないままで過ごせます。気を付けておきたいことをピックアップしますので、頭の中に入れておきましょう。
洗顔は優しく、丁寧に
顔の乾燥が気になる人の中には、頻繁に顔を洗ったり、洗顔後にタオルで強く拭いたりしていることがあります。これは皮膚を痛める原因となり、そこからセラミドが流出してしまうことにつながります。
朝起きたときにお肌が乾燥していると感じる場合には、洗顔フォームを使った洗顔ではなく、ぬるま湯で軽く洗い流す程度で済ませるようにしましょう。
そして、洗顔後のスキンケアでしっかり水分と油分をお肌に与えてください。クリームできちんと蓋をするのも忘れずに。
熱いお風呂はセラミド流出の原因
身体の乾燥が気になる場合、チェックしてほしいことがあります。それは、お風呂の温度です。40度以上に設定している人は、それが乾燥の原因かもしれません。
というのも、熱いお湯に入ることで角質層が柔らかくなってふやけると、セラミドが流出してしまうことがあるからです。また、長時間湯船に入っているのも角質層がふやけてしまう原因となります。乾燥が気になる方は20分ほどでお風呂から上がりましょう。
おすすめの設定温度は36度から39度です。
睡眠不足で健康な肌をつくる
きちんと睡眠をとることで、肌の生まれ変わりが正しく行われます。それによって、セラミドを作りだしたり、傷付いたぶんを修復したりすることも期待できます。
成長ホルモンが分泌されるのは、就寝してからの3時間です。この間に質の高い睡眠をとれるように、寝る直前の食事は避ける、リラックスするようにアロマを炊く、身体を解すストレッチをするといったことを行いましょう。
食事にも気を付けて
私たちのお肌は食事によって作られていきます。食生活が乱れていると、吹き出物や肌荒れの原因になります。
お肌のために良いのは、牛乳、大豆といったもともとセラミドを豊富に含んでいるものや、セラミドが作られるのをサポートする力を持つ、玉ねぎ、人参、白菜、トマトといった野菜類です。これらの食材を積極的に食べるようにしましょう。
煙草は止めて
もともと煙草に含まれる成分は身体や肌にとっては良い影響を与えるものではありません。喫煙することでお肌の生まれ変わりを妨げることになります。すると、セラミドの生成も阻害されることになり、乾燥が深刻化してしまいます。また、お肌の生まれ変わりもきちんと行われなくなってしまうため、肌荒れの原因にもなります。
お肌のことを考えるのであれば、煙草は止めるのがいちばんです。
セラミド配合化粧品の効果について
お肌の乾燥を防ぐためにも、セラミドは欠かせないものです。しかし、足りなくなったセラミドを自力で生成してお肌の調子を元に戻すまでには時間がかかります。ですので、セラミド配合のスキンケアアイテムを使うという方も多いのですが、本当にセラミド配合のアイテムを塗るだけで乾燥が改善されるということはあるのか、検証してみましょう。
セラミド配合のアイテムでも、体内にあるセラミドには影響しない
年齢や外的要因によってセラミドが減少する、と聞くと、ならばクリームなどを使って外側からセラミドを与えていけば良いのでは?と思われるでしょう。実際、セラミド配合のアイテムを使われている人の多くは、セラミドを補給して乾燥の症状を改善したいと思っておられるはずです。
しかし、注意したいのはいくら塗っても体内のセラミドには影響しないということです。
クリームなどを使って取り入れたセラミドは、肌の表面では効果を発揮しますが、体内にまでは影響を及ぼしません。
ですので、セラミド配合のアイテムを使ってもセラミドの減少を止めることや、乾燥の根本的な解決はできません。これは、コラーゲンを使ったアイテムでも同じことです。
じゃあ、セラミド配合のアイテムは効果がないの?
セラミド配合だとしても、セラミドが減少するのを食い止める力はありません。
しかし、水分の蒸発を防ぐという力はかなり高く、肌表面の乾燥をどうにかしたい、という保湿力を求める方にはセラミドは心強い存在となります。「水分を肌に留めておく力はとても高いけれど、体内のセラミドを補充するという力はない」というのが、セラミド配合化粧品の効果です。
セラミドを使うのであればクリームか美容液で取り入れよう
セラミドは油溶性とも言われており、油分と相性が良いものです。ですので、クリームや美容液の中にセラミドが配合されているものを選びましょう。
化粧水の中にセラミドが配合されているものもありますが、水の中に油に溶けやすいものを配合しているというのは十分な効果が期待できるとは思いにくいですよね。
スキンケアアイテムの水分をしっかり閉じ込めるという意味でも、スキンケアの最後にクリームなどでセラミドを使うのがおすすめです。
セラミドを守って潤いのあるお肌も守ろう
セラミドは乾燥対策だけでなく、肌を守るという力も持っているというのは驚きでしたね。しかし、年齢と共に減っていくと思うと少し不安にも感じます。ですが、生活の中でいくつか気を付けるポイントを守っていれば健やかなお肌を守っていくことができます。
綺麗なお肌で年齢を重ねていくためにも、セラミドを守ることを意識して生活していきたいですね。